Project Gutenbergには無料利利用できる図書がたくさんある。日本の青空文庫と同じようなものなのだろうか。
アメリカのProject Gutenbergでは書名の検索はもちろんのこと、様々な棚が用意されているようだ(英語力不足で詳細は分からないが)。
その中でいくつか気になった書名を挙げてみる。
オズの魔法使い
三匹の子豚
赤毛のアン
English Fairy Tales
不思議の国のアリス
イソップ童話
ラ・フォンテーヌの「寓話」
グリム童話
以上はほんの一例ですが、タイトルは同じでも、翻訳者や時期の違いなどで選択できるものも多い。それに、詳細を見ると、WEBでテキストを見ることができるものを、上のようにリンクで表示したが、音声データもダウンロードできるようになっている。
何かしら、楽しみが持てる図書館です。
2025年01月09日
2024年06月16日
耐えに耐え輝き増して雪の下 #kigo , #jhaiku , #haiku , #fhaiku
写真は、ユキノシタ(雪ノ下)
ユキノシタはこの6月になって花が咲き、夏の季語となっている。
冬の間は、長く雪の下に埋もれている。
冷たさ、寒さに耐えに耐え、生き抜いている。
そして暖かくなってくると、長く茎を伸ばし、花を開く。
花びらが、2枚だけのように見えるが、5枚のうち、下2枚が大きな花弁だと言う。
人という字のようにも見える。
人も辛い苦しい時を過ごしながら、強くなってもいけるのだろう。
その時は、以前よりぐっと大きく伸びていきます。
2024年06月15日
もやもやもうっとうしさも睡蓮や #kigo , #jhaiku , #haiku , #fhaiku
写真は、睡蓮です。
今年初めて咲いた睡蓮は黄色い花でした。
つゆを前にすると鬱陶しい日が続くものですが、今日は風も爽やかでした。
昨年からの睡蓮で、年々咲いてくれるのはありがたいものです。
以前は、水面上に長く出る熱帯スイレンを2年くらい続けたのですが、冬の根の越冬がなかなか難しく、温帯スイレンに変えてみました。
冬は0度以下になりますが、水の中でしっかり過ごしてくれるので、管理が楽です。
水の中で咲くのだから、暑さも感じないのでしょうかね。
その花を見る私たちも、鬱陶しさや、もやもやした気分もスッキリさせてくれます。
さあ、次はどんな色の睡蓮が咲いてくれるでしょう。
睡蓮やその中で泳ぐメダカを見ることで、暑さも忘れます。
2011年12月02日
迷探偵いや名探偵の推理を楽しむ東川篤哉著『はやく名探偵になりたい』(光文社)読了。
藤枝邸の完全なる密室
時速四十キロの密室
七つのビールケースの問題
雀の森の異常な夜
宝石泥棒と母の悲しみ
の五編。
烏賊川(いかがわし)の鵜飼杜夫探偵事務所の鵜飼とその助手みたいな戸村流平が、迷晰な、いや間違った。明晰な推理を働かせ、難事件を解決に導こうとする。
東川篤哉著『はやく名探偵になりたい』(光文社。2011.9.20初版1刷。2011.10.10第2刷)
時速四十キロの密室
七つのビールケースの問題
雀の森の異常な夜
宝石泥棒と母の悲しみ
の五編。
烏賊川(いかがわし)の鵜飼杜夫探偵事務所の鵜飼とその助手みたいな戸村流平が、迷晰な、いや間違った。明晰な推理を働かせ、難事件を解決に導こうとする。
東川篤哉著『はやく名探偵になりたい』(光文社。2011.9.20初版1刷。2011.10.10第2刷)
2011年11月24日
神様が遣わした意地悪な天使だったのかもしれない。(小川糸著『食堂かたつむり』)#読書
一緒に生活していたインド人の彼が、倫子が苦労して稼いだすべての財産、家具一切、料理人として使用できる調理器具、部屋の中にあったすべてのものが、彼とともになくなっていた。幸いにも残ったのは祖母の糠床だけ。
この壺を大事に抱え、十年もの間、一度も戻らなかった母の家に、高速バスに乗れるだけのかろうじて手元にあったお金で帰る。
ショックで声もでなくなり、単語カードによく使う言葉を書いて、人に示す。ノートで筆談。
母の不倫相手との子どもということで、倫子と名付けられたのが嫌だったが、熊さんはりんごちゃんと呼んでくれた。そんな熊さんの協力をえて食堂かたつむりを開店。恋が成就したり、元気になれる食事を出す店として広まる。
そんな中、サンドイッチが食べたいという人に出したところ、異物混入と騒がれてしまうことになる。
りんごちゃんは、
/////
もしかしたらあれは、食堂かたつむりが軌道に乗って私が浮かれないようにするために、料理の神様が遣わした意地悪な天使だったのかもしれない。
/////
と、自らを励ましプラス思考で乗りきろうとしている。
さて、これからどう話が進むのだろうか、楽しみだ。
(小川糸著『食堂かたつむり』ポプラ社。2008.1.15第1刷。2008.4.4第2刷)
この壺を大事に抱え、十年もの間、一度も戻らなかった母の家に、高速バスに乗れるだけのかろうじて手元にあったお金で帰る。
ショックで声もでなくなり、単語カードによく使う言葉を書いて、人に示す。ノートで筆談。
母の不倫相手との子どもということで、倫子と名付けられたのが嫌だったが、熊さんはりんごちゃんと呼んでくれた。そんな熊さんの協力をえて食堂かたつむりを開店。恋が成就したり、元気になれる食事を出す店として広まる。
そんな中、サンドイッチが食べたいという人に出したところ、異物混入と騒がれてしまうことになる。
りんごちゃんは、
/////
もしかしたらあれは、食堂かたつむりが軌道に乗って私が浮かれないようにするために、料理の神様が遣わした意地悪な天使だったのかもしれない。
/////
と、自らを励ましプラス思考で乗りきろうとしている。
さて、これからどう話が進むのだろうか、楽しみだ。
(小川糸著『食堂かたつむり』ポプラ社。2008.1.15第1刷。2008.4.4第2刷)
2011年11月21日
『役に立たない日々』(佐野洋子)面白過ぎ!
絵本作家佐野洋子さん。『100万回生きたねこ』とか『わたしのぼうし』など子どもが小さいときによく読んだのを思い出す。
その人の本である。妻の方が先に読んでとっても面白いというので、日曜日に読みきる。1日で読みきるのも珍しいものだ。
えー、こんなこと書いちゃっていいのということまで書いてある。実名が出てくるところも。
最後の方に
/////
「佐野さんもう一年位で死ぬのに、こわくないの」と聞かれて生きている死体に聞かれたくないわと思いながら「全然、だっていつか死ぬんじゃん、そんなのわかっているじゃん」「だけど何で、そんなに平気で元気なの、こわくないの」「こわくないったら。嬉しいよ、あんた死んだらもう金いらないんだよ、かせがなくたっていいんだよ、金の心配しなくていいだけてもラッキーって思うよ」「こわくないの」「こわくないって、それにガンってすごくいい病気なんだよ、死ぬ時に死ぬじゃん、もっと大変な病気いっぱいあるじゃん、リューマチとかだんだん悪くなるだけで、ずーっと痛くて治らないとか、死ぬまで人工透析するとか、脳梗塞で寝たきりで口が聞けないとか、体が元気で痴呆とか、何でガンだけ『ソウゼツなたたかい』とか云うの、別にたたかわなくてもいいじゃん。私、たたかう人嫌いだよ」
/////
佐野さんのプラス思考、すごい。こんなガンに対する考え方に初めて出合った。
『役に立たない日々』(佐野洋子著。朝日新聞出版。2008.5.30第1刷。2008.6.10第2刷)
その人の本である。妻の方が先に読んでとっても面白いというので、日曜日に読みきる。1日で読みきるのも珍しいものだ。
えー、こんなこと書いちゃっていいのということまで書いてある。実名が出てくるところも。
最後の方に
/////
「佐野さんもう一年位で死ぬのに、こわくないの」と聞かれて生きている死体に聞かれたくないわと思いながら「全然、だっていつか死ぬんじゃん、そんなのわかっているじゃん」「だけど何で、そんなに平気で元気なの、こわくないの」「こわくないったら。嬉しいよ、あんた死んだらもう金いらないんだよ、かせがなくたっていいんだよ、金の心配しなくていいだけてもラッキーって思うよ」「こわくないの」「こわくないって、それにガンってすごくいい病気なんだよ、死ぬ時に死ぬじゃん、もっと大変な病気いっぱいあるじゃん、リューマチとかだんだん悪くなるだけで、ずーっと痛くて治らないとか、死ぬまで人工透析するとか、脳梗塞で寝たきりで口が聞けないとか、体が元気で痴呆とか、何でガンだけ『ソウゼツなたたかい』とか云うの、別にたたかわなくてもいいじゃん。私、たたかう人嫌いだよ」
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佐野さんのプラス思考、すごい。こんなガンに対する考え方に初めて出合った。
『役に立たない日々』(佐野洋子著。朝日新聞出版。2008.5.30第1刷。2008.6.10第2刷)
2011年11月20日
気持ちの玉があるとしたら、温泉に浸かったゴムまりみたいにあたたかく、やわらかく、弾んだり、転がったり、伸びたり、縮んだりして、それでふたりでいつまででも楽しめるだろう。宮下奈都著『スコーレNo .4』
上の一文は、
/////
茅野さんと一緒にいると、さびしさのことを忘れる。何があってもだいじょうぶだと信じることができる。
/////
のあとに続いている。津川麻子の恋について今までの思いが変わっていく。そして
/////
落ちてしまえば恋は言葉じゃない。ほどいて、結び、結んで、ほどく。ふたりでいるのって、何かそういう作業だと思う。
/////
宮下奈都著『スコーレNo.4』2007.1.25初版第1刷。2007.5.30第2刷
表現のしかたがいいですね。温泉に浸かったゴムまりみたいにあたたかく、やわらかく、なりたいものです。
/////
茅野さんと一緒にいると、さびしさのことを忘れる。何があってもだいじょうぶだと信じることができる。
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のあとに続いている。津川麻子の恋について今までの思いが変わっていく。そして
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落ちてしまえば恋は言葉じゃない。ほどいて、結び、結んで、ほどく。ふたりでいるのって、何かそういう作業だと思う。
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宮下奈都著『スコーレNo.4』2007.1.25初版第1刷。2007.5.30第2刷
表現のしかたがいいですね。温泉に浸かったゴムまりみたいにあたたかく、やわらかく、なりたいものです。
2011年11月19日
愛情をいっぱいに受けて育った猫みたいに気高く悠々と今にも歩き出しそうに見えるのだった。(宮下奈都著『スコーレNo.4』)
主人公の津川麻子が初めてのイタリアでの靴の買い付けに行った商談先で
/////
彼らが胸を張って紹介する靴たちは、そのどれもが愛情をいっぱいに受けて育った猫みたいに気高く悠々と今にも歩き出しそうに見えるのだった。
/////
(宮下奈都著『スコーレNo.4』2007.1.25初版第1刷。2007.5.30第2刷)
我が家の猫のトラジやモクレンも気高く見えるときがあるかもしれない。よく見てみよう。
/////
彼らが胸を張って紹介する靴たちは、そのどれもが愛情をいっぱいに受けて育った猫みたいに気高く悠々と今にも歩き出しそうに見えるのだった。
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(宮下奈都著『スコーレNo.4』2007.1.25初版第1刷。2007.5.30第2刷)
我が家の猫のトラジやモクレンも気高く見えるときがあるかもしれない。よく見てみよう。
2011年10月14日
蚊がいなくなったら地球全体がこれてしまうのだ。矢島稔
矢島さんがNHK ラジオの「夏休み子ども科学電話相談」を28年目の今年の質問の中に、小学5年生から
「世界中から蚊がいなくなったら人間にはどういう影響があるの?」
と質問を受け、あれこれ質問の意図を聞くゆとりもない番組の中で次のように答えたという。
「まず人間が困っている病気の中に蚊にさされたために時には人が死ぬものがある。例えばマラリアがそうだね。しかしかの問題は蚊と人間の間だけのもので、もっと大きな問題がある。蚊を食べている動物は何だろう。世界中のトンボをはじめ小さな蛙もそうだね。もしトンボや蛙がいなくなったら野鳥もいられなくなる。自然は食べる食べられる食物連鎖で全生物がつながって今の地球が保たれているのは分かるだろう。つまりどんな生物もいらない種類はないということで、蚊がいなくなったら地球全体がこれてしまうのだ。」
こんな大きな質問はいままでなかったと矢島さんは書いている。
矢島稔さん(群馬県立ぐんま昆虫の森園長)の記事が雑誌『日本教育』(社団法人日本教育会発行、平成23年10月号)の「話のみなもと」に「生きものの知恵」として載っていた。
「世界中から蚊がいなくなったら人間にはどういう影響があるの?」
と質問を受け、あれこれ質問の意図を聞くゆとりもない番組の中で次のように答えたという。
「まず人間が困っている病気の中に蚊にさされたために時には人が死ぬものがある。例えばマラリアがそうだね。しかしかの問題は蚊と人間の間だけのもので、もっと大きな問題がある。蚊を食べている動物は何だろう。世界中のトンボをはじめ小さな蛙もそうだね。もしトンボや蛙がいなくなったら野鳥もいられなくなる。自然は食べる食べられる食物連鎖で全生物がつながって今の地球が保たれているのは分かるだろう。つまりどんな生物もいらない種類はないということで、蚊がいなくなったら地球全体がこれてしまうのだ。」
こんな大きな質問はいままでなかったと矢島さんは書いている。
矢島稔さん(群馬県立ぐんま昆虫の森園長)の記事が雑誌『日本教育』(社団法人日本教育会発行、平成23年10月号)の「話のみなもと」に「生きものの知恵」として載っていた。
2011年10月13日
生きることはそれだけで価値がある。・・・生きることは修行だ。北國浩二著「嘘」
北國浩二著『嘘』(PHP 研究所、2011.7.22第1版第1刷、P134〜)から
亀田医師のことば
/////
「生きることはそれだけで価値がある。命というのは何より大切なんだ。他人の命も、自分の命も。それを大切にするのが、命を授かった者の務めだ。生きることは修行。つらくてあたりまえ。ほら、この世を苦海というじゃないか。苦海から逃げ出すのは簡単だ。生き物は簡単に死ねる。だからこそ、そうしないことに意味と価値がある。」
////~
生きててもつまらんという認知症の孝蔵に友人でもある亀田医師が説く。。
亀田医師のことば
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「生きることはそれだけで価値がある。命というのは何より大切なんだ。他人の命も、自分の命も。それを大切にするのが、命を授かった者の務めだ。生きることは修行。つらくてあたりまえ。ほら、この世を苦海というじゃないか。苦海から逃げ出すのは簡単だ。生き物は簡単に死ねる。だからこそ、そうしないことに意味と価値がある。」
////~
生きててもつまらんという認知症の孝蔵に友人でもある亀田医師が説く。。
2011年09月22日
アインシュタインは、好奇心のかたまりのような人だった。「いちばん大切なのは『まずやってみる』勇気なのだ」
ジュニア版『NHK プロジェクトX 第2期8 はじめてへのチャレンジ!不屈の人たち』「『宗谷』発進・第1次南極観測隊」を読んでいると、次のような文に出会うことができた。この中の西堀榮三郎さんは、第1次観測隊の副隊長として南極で越冬することを申し出た人である。その人の精神力の源にかかわる部分だと思った。
//////
アインシュタインは、好奇心のかたまりのような人だった。京都のお寺をまわり、鐘の文様ひとつにいたるまで、どうしてこのような文様なのか、どうしてこのような形をしているのかと、・・・興味をもったらとことん知ろうとするアインシュタインの好奇心に、(三日間、アインシュタインの通訳として京都を一緒に旅した)西堀さんはおどろいた。そして、まだ高校生で、自分がこれからどういう道に進んだらよいのか迷っていた西堀さんに、アインシュタインはこう話してくれた。
「だれもやったことのない、新しいことをやりなさい。いちばん大切なのは『まずやってみる』勇気なのだ。」
///////
高校時代に兄に教えてもらってた英語によりアインシュタインの京都の旅に同行し、アインシュタインのとことんつきとめようとする姿勢や、自分にかけてくれた言葉により、不屈の精神と研究心を身につけていった西堀さんの姿に感動した。
//////
アインシュタインは、好奇心のかたまりのような人だった。京都のお寺をまわり、鐘の文様ひとつにいたるまで、どうしてこのような文様なのか、どうしてこのような形をしているのかと、・・・興味をもったらとことん知ろうとするアインシュタインの好奇心に、(三日間、アインシュタインの通訳として京都を一緒に旅した)西堀さんはおどろいた。そして、まだ高校生で、自分がこれからどういう道に進んだらよいのか迷っていた西堀さんに、アインシュタインはこう話してくれた。
「だれもやったことのない、新しいことをやりなさい。いちばん大切なのは『まずやってみる』勇気なのだ。」
///////
高校時代に兄に教えてもらってた英語によりアインシュタインの京都の旅に同行し、アインシュタインのとことんつきとめようとする姿勢や、自分にかけてくれた言葉により、不屈の精神と研究心を身につけていった西堀さんの姿に感動した。
2011年09月19日
深沢七郎さんの千曲川が発表されたのは
深沢七郎さんの千曲川が発表されたのは「週刊朝日」1964年6月26日号に「新日本名所案内9」として発表された。
タグ:深沢七郎
姨捨の伝説は中国から伝えられ原話は印度の伝説。西行法師も紀貫之も芭蕉も一茶も姨捨山で田毎の月を見た!
『深沢七郎集 第七巻 エッセイ1』の「千曲川」に次のように出ていた。
/////
甲武信岳の清流から信濃川になるまで、曲がっては曲がって流れる千曲川のうちで、絶景は姨捨山(おばすてやま)からの遠景である。伝説では、姨捨は、いまの姨捨山放光院長楽寺の姨岩の上へ老人を置いてきたのである。または、姨岩から突落して捨てたともいうそうである。が、それは事実ではなく、姨捨の伝説は中国から伝えられたものだし、原話は印度の伝説で、この信濃の姨捨山は地名だけだそうである。
・・・・・
この長楽寺のすぐ下には「田毎(たごと)の月」と言われる段々畑があって、田の数は四十八枚である。田に水があるときは月の光がどの田にも写って、田毎に月があるように見えるのである。
・・・・・・・
長楽寺の住職さんの説明だと四十八枚の田の数字というものは仏教的な数で意味の深いものだそうである。四十九でも、この数は印度の祇園精舎の四十九棟で、これもやはり仏教的な数字である。なんとなく、神秘的な田毎の月の光らしい。
隈(くま)もなき月の光をながむれば
まづ姨捨の山ぞ恋しき 西行法師
君が行くところと聞けば月見つつ
姨捨山ぞ恋しかるべき 紀 貫之
のように月の賛歌が多いのは、古人は月の名所を目ざして、はるばるここへ来たかららしい。
現在でも、この姨捨の付近の人達は中秋の名月にはこの山へ集って観月の会をするそうである。
・・・・・・・
おもかげや姨ひとりなく月の友 芭蕉
信濃では月と仏とおらがそば 一茶
///////
姨捨山の話は中国や印度の話が元になっていることを知った。
四十八の仏教的意味は、法蔵菩薩が阿弥陀仏になる前に、一切の衆生を救うために誓ったのが四十八願であった。その数のことをいってるのだろうか。!タグ!深沢七郎 姨捨山 西行法師 芭蕉 一茶 紀貫之 四十八願 田毎の月
/////
甲武信岳の清流から信濃川になるまで、曲がっては曲がって流れる千曲川のうちで、絶景は姨捨山(おばすてやま)からの遠景である。伝説では、姨捨は、いまの姨捨山放光院長楽寺の姨岩の上へ老人を置いてきたのである。または、姨岩から突落して捨てたともいうそうである。が、それは事実ではなく、姨捨の伝説は中国から伝えられたものだし、原話は印度の伝説で、この信濃の姨捨山は地名だけだそうである。
・・・・・
この長楽寺のすぐ下には「田毎(たごと)の月」と言われる段々畑があって、田の数は四十八枚である。田に水があるときは月の光がどの田にも写って、田毎に月があるように見えるのである。
・・・・・・・
長楽寺の住職さんの説明だと四十八枚の田の数字というものは仏教的な数で意味の深いものだそうである。四十九でも、この数は印度の祇園精舎の四十九棟で、これもやはり仏教的な数字である。なんとなく、神秘的な田毎の月の光らしい。
隈(くま)もなき月の光をながむれば
まづ姨捨の山ぞ恋しき 西行法師
君が行くところと聞けば月見つつ
姨捨山ぞ恋しかるべき 紀 貫之
のように月の賛歌が多いのは、古人は月の名所を目ざして、はるばるここへ来たかららしい。
現在でも、この姨捨の付近の人達は中秋の名月にはこの山へ集って観月の会をするそうである。
・・・・・・・
おもかげや姨ひとりなく月の友 芭蕉
信濃では月と仏とおらがそば 一茶
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姨捨山の話は中国や印度の話が元になっていることを知った。
四十八の仏教的意味は、法蔵菩薩が阿弥陀仏になる前に、一切の衆生を救うために誓ったのが四十八願であった。その数のことをいってるのだろうか。!タグ!深沢七郎 姨捨山 西行法師 芭蕉 一茶 紀貫之 四十八願 田毎の月
2011年08月30日
一人で思考する
上田早夕里さんの『華竜の宮』(早川書房2010.10.20初版)の中に次のような表現がある。
/////
人間はときとして、ひとりで思考する時間も必要
人間は犬や猫は可愛がる。考えていることは違っても共存しようと考える。他の生物に関しても、そう考えるべきだと主張する人たちもいる。だが、獣舟は人間を食うんだ。どこに境界線を引くべきか迷うな。
命の価値に差をつける行為
/////
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人間はときとして、ひとりで思考する時間も必要
人間は犬や猫は可愛がる。考えていることは違っても共存しようと考える。他の生物に関しても、そう考えるべきだと主張する人たちもいる。だが、獣舟は人間を食うんだ。どこに境界線を引くべきか迷うな。
命の価値に差をつける行為
/////
2011年06月11日
ピンクのタニウツギ
田植えが始まる頃から
白い花のウツギが咲き始める。
ウツギとは空木と書く。
空しい木ではなく、
この幹の芯の部分が中空となっていることからついた名前だそうだ。
ウツギから少し遅れてかタニウツギが咲く。
こちらは淡いピンク色だ。
大きな株で枝も長いと垂れ下がった枝に花がついていいものだと思う。
白い花のウツギが咲き始める。
ウツギとは空木と書く。
空しい木ではなく、
この幹の芯の部分が中空となっていることからついた名前だそうだ。
ウツギから少し遅れてかタニウツギが咲く。
こちらは淡いピンク色だ。
大きな株で枝も長いと垂れ下がった枝に花がついていいものだと思う。
2011年06月04日
キケン
「キケン」は有川浩さんの小説。2010.1.20新潮社発行。2011年1月に本屋大賞にノミネートされたということで借りて読む。
/////
成南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研(キケン)」。部にまつわる様々な事件から・・・=危険。
新入生勧誘・・・ファイアストームの木枠をぶっとばす。
学園祭で「らぁめんキケン」作り。
『奇跡の味』
スープ作り
鶏ガラを軽く湯がいた後、血合い取り。
新しく水を張った鍋に鶏ガラとその他の材料をぶちこんだ。
アクを気長にすくう。
アクと一緒に昆布も引き上げる。
昆布と煮干しは水から入れて沸いたら引き上げる(苦味を防ぐ)。
アクがほとんど出なくなってから、最低二時間は水を足しながら強火で煮る。
忙しさの中にも決して破ってはならない鉄則。
1.連れ同士の客には同時に注文品を出せ。
2.一緒に出せないくらいなら出前の注文を優先。
3.カウンターでは客の順序を後先するな。
『本気で遊ぶ』のが[きけん]のモットーだ。
楽しかったのは・・・極限まで働いている正にその瞬間なんだ。
/////
楽しい、一気に読める。
写真はマユミ。
/////
成南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研(キケン)」。部にまつわる様々な事件から・・・=危険。
新入生勧誘・・・ファイアストームの木枠をぶっとばす。
学園祭で「らぁめんキケン」作り。
『奇跡の味』
スープ作り
鶏ガラを軽く湯がいた後、血合い取り。
新しく水を張った鍋に鶏ガラとその他の材料をぶちこんだ。
アクを気長にすくう。
アクと一緒に昆布も引き上げる。
昆布と煮干しは水から入れて沸いたら引き上げる(苦味を防ぐ)。
アクがほとんど出なくなってから、最低二時間は水を足しながら強火で煮る。
忙しさの中にも決して破ってはならない鉄則。
1.連れ同士の客には同時に注文品を出せ。
2.一緒に出せないくらいなら出前の注文を優先。
3.カウンターでは客の順序を後先するな。
『本気で遊ぶ』のが[きけん]のモットーだ。
楽しかったのは・・・極限まで働いている正にその瞬間なんだ。
/////
楽しい、一気に読める。
写真はマユミ。
2011年06月03日
瑞雲から飛び出した一羽の鳥
奥泉光著『シューマンの指』(講談社、2010.7.23第1刷、P314)の中から。
/////
シューマン<幻想曲ハ長調>第一楽章「徹頭徹尾幻想的に、情熱的に演奏すべく」
修人が「僕は、この音符の陰に、何かが隠れているような気がするんだ」と述べた。シューマンのピアノ曲に執拗に現れる音列である。「クララの動機」とも呼ばれるこの楽句が、調性をぽやかしたまま進み行く姿は、さながら夢の霞が凝ってできた瑞雲から飛び出した一羽の鳥のようである。
(演奏が終わる)
―――その刹那だった
人の悲鳴が、一筋、暗がりを刺し貫いたのだった。
/////
瑞雲から飛び出す鳥。幻想的。
写真は、クロユリ。
/////
シューマン<幻想曲ハ長調>第一楽章「徹頭徹尾幻想的に、情熱的に演奏すべく」
修人が「僕は、この音符の陰に、何かが隠れているような気がするんだ」と述べた。シューマンのピアノ曲に執拗に現れる音列である。「クララの動機」とも呼ばれるこの楽句が、調性をぽやかしたまま進み行く姿は、さながら夢の霞が凝ってできた瑞雲から飛び出した一羽の鳥のようである。
(演奏が終わる)
―――その刹那だった
人の悲鳴が、一筋、暗がりを刺し貫いたのだった。
/////
瑞雲から飛び出す鳥。幻想的。
写真は、クロユリ。
2011年06月02日
速く、速く、速く
奥泉光著『シューマンの指』(講談社、2010.7.23第1刷、P314)の中から。
/////
<ピアノソナタ第二番ト短調>
不思議に畸形な美しさを纏うことになった。・・・第一楽章は・・・「できる限り速く」演奏すべき曲は、再現部のあと、コーダ前の16小節で、突然、「より速く」の記号が現れ、さらにコーダでは「もっと速く」となるのだ。
「何かで読んだんだけど、シューマンは自分が指を駄目にしたんで、うんと難しい曲を書くことで、運命に復讐しようとしたんだっていうんだけど、本当だと想う?」
・・・私の言葉が、森の深くにある、幾重にもなった樹や灌木に隠された秘密の沼に波紋を作ったのは疑えなかった。
/////
いったいどんなスピードの曲になるのだろう?どう弾くのだろう。
森の深くにある秘密の沼に波紋をつくる、という表現がすごい。
/////
<ピアノソナタ第二番ト短調>
不思議に畸形な美しさを纏うことになった。・・・第一楽章は・・・「できる限り速く」演奏すべき曲は、再現部のあと、コーダ前の16小節で、突然、「より速く」の記号が現れ、さらにコーダでは「もっと速く」となるのだ。
「何かで読んだんだけど、シューマンは自分が指を駄目にしたんで、うんと難しい曲を書くことで、運命に復讐しようとしたんだっていうんだけど、本当だと想う?」
・・・私の言葉が、森の深くにある、幾重にもなった樹や灌木に隠された秘密の沼に波紋を作ったのは疑えなかった。
/////
いったいどんなスピードの曲になるのだろう?どう弾くのだろう。
森の深くにある秘密の沼に波紋をつくる、という表現がすごい。
2011年06月01日
岩石と水とが同じ
奥泉光著『シューマンの指』(講談社、2010.7.23第1刷、P314)の中から。
/////
「最もシューマンらしい特徴が出ている曲として<フモレスケ>・・・
さまざまな色あいを持つ各部を結びつける原理は、・・・音の関連ではなく、もっと深いところで、たとえば岩石と水とが同じく鉱物だと見なしうるといったような水準で、達成されている印象がある。
これはシューマン自身がフモレスケについて手紙に書き託した言葉であるが、フモレスケとは、・・・訳語のない、喜びと悲しみ、淋しさとおかしみ、笑いと涙といった、複数の感情が縺れ合った状態を指すものであるらしい。
/////
関連の強さを岩石と水とが同じ鉱物である、と表現に驚いた。
/////
「最もシューマンらしい特徴が出ている曲として<フモレスケ>・・・
さまざまな色あいを持つ各部を結びつける原理は、・・・音の関連ではなく、もっと深いところで、たとえば岩石と水とが同じく鉱物だと見なしうるといったような水準で、達成されている印象がある。
これはシューマン自身がフモレスケについて手紙に書き託した言葉であるが、フモレスケとは、・・・訳語のない、喜びと悲しみ、淋しさとおかしみ、笑いと涙といった、複数の感情が縺れ合った状態を指すものであるらしい。
/////
関連の強さを岩石と水とが同じ鉱物である、と表現に驚いた。
2011年05月31日
音楽を心に想う
奥泉光著『シューマンの指』(講談社、2010.7.23第1刷、P314)の中から。
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「鼓膜を震わせるだけが音楽を聴くことじゃない。音楽を心に想うことで、僕たちは音楽を聴ける。音楽は想像の中で一番くっきりと姿を現す。耳が聴こえなくなって、ベートーベンはよりよく音楽を聴けるようになったんだ。」
永峰修人はよくいっていた。
ピアノの練習は、スポーツと同じく、純粋に肉体的な、メカニカルな鍛練が少なからぬ部分を占める。・・・ピアノを弾くのに適した筋力と柔軟性と俊敏性を獲得するには、毎日欠かさぬ長時間の練習が必要である。「練習の虫」という言葉があるけれど、私の知る限り、「練習の虫」ではないピアニストは存在しない。
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音楽のことはよくわからないが、聴いてみたくなる。
さて、これからどんな犯罪が起きるのか?
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「鼓膜を震わせるだけが音楽を聴くことじゃない。音楽を心に想うことで、僕たちは音楽を聴ける。音楽は想像の中で一番くっきりと姿を現す。耳が聴こえなくなって、ベートーベンはよりよく音楽を聴けるようになったんだ。」
永峰修人はよくいっていた。
ピアノの練習は、スポーツと同じく、純粋に肉体的な、メカニカルな鍛練が少なからぬ部分を占める。・・・ピアノを弾くのに適した筋力と柔軟性と俊敏性を獲得するには、毎日欠かさぬ長時間の練習が必要である。「練習の虫」という言葉があるけれど、私の知る限り、「練習の虫」ではないピアニストは存在しない。
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音楽のことはよくわからないが、聴いてみたくなる。
さて、これからどんな犯罪が起きるのか?

