2011年11月24日

神様が遣わした意地悪な天使だったのかもしれない。(小川糸著『食堂かたつむり』)#読書

一緒に生活していたインド人の彼が、倫子が苦労して稼いだすべての財産、家具一切、料理人として使用できる調理器具、部屋の中にあったすべてのものが、彼とともになくなっていた。幸いにも残ったのは祖母の糠床だけ。
この壺を大事に抱え、十年もの間、一度も戻らなかった母の家に、高速バスに乗れるだけのかろうじて手元にあったお金で帰る。
ショックで声もでなくなり、単語カードによく使う言葉を書いて、人に示す。ノートで筆談。
母の不倫相手との子どもということで、倫子と名付けられたのが嫌だったが、熊さんはりんごちゃんと呼んでくれた。そんな熊さんの協力をえて食堂かたつむりを開店。恋が成就したり、元気になれる食事を出す店として広まる。
そんな中、サンドイッチが食べたいという人に出したところ、異物混入と騒がれてしまうことになる。
りんごちゃんは、
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もしかしたらあれは、食堂かたつむりが軌道に乗って私が浮かれないようにするために、料理の神様が遣わした意地悪な天使だったのかもしれない。
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と、自らを励ましプラス思考で乗りきろうとしている。
さて、これからどう話が進むのだろうか、楽しみだ。
(小川糸著『食堂かたつむり』ポプラ社。2008.1.15第1刷。2008.4.4第2刷)
posted by かんちゃん at 06:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ことば・本
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