絵本作家佐野洋子さん。『100万回生きたねこ』とか『わたしのぼうし』など子どもが小さいときによく読んだのを思い出す。
その人の本である。妻の方が先に読んでとっても面白いというので、日曜日に読みきる。1日で読みきるのも珍しいものだ。
えー、こんなこと書いちゃっていいのということまで書いてある。実名が出てくるところも。
最後の方に
/////
「佐野さんもう一年位で死ぬのに、こわくないの」と聞かれて生きている死体に聞かれたくないわと思いながら「全然、だっていつか死ぬんじゃん、そんなのわかっているじゃん」「だけど何で、そんなに平気で元気なの、こわくないの」「こわくないったら。嬉しいよ、あんた死んだらもう金いらないんだよ、かせがなくたっていいんだよ、金の心配しなくていいだけてもラッキーって思うよ」「こわくないの」「こわくないって、それにガンってすごくいい病気なんだよ、死ぬ時に死ぬじゃん、もっと大変な病気いっぱいあるじゃん、リューマチとかだんだん悪くなるだけで、ずーっと痛くて治らないとか、死ぬまで人工透析するとか、脳梗塞で寝たきりで口が聞けないとか、体が元気で痴呆とか、何でガンだけ『ソウゼツなたたかい』とか云うの、別にたたかわなくてもいいじゃん。私、たたかう人嫌いだよ」
/////
佐野さんのプラス思考、すごい。こんなガンに対する考え方に初めて出合った。
『役に立たない日々』(佐野洋子著。朝日新聞出版。2008.5.30第1刷。2008.6.10第2刷)
2011年11月21日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
最後までご覧いただきありがとうございました。
